中国語にはそれぞれの音節に音の調子がつきます。これを声調といい、全部で4つあるので「四声」ともいいます。母音の上についているマーク「ˉ」「ˊ」「ˇ」「ˋ」が声調記号です。音節が同じでも、声調が変われば意味も変わります。
第一声:いつもの声の高さよりワントーン高い音で、そのまままっすぐのばします。
妈mā おかあさん
第二声:「えぇっ?」と聞き返す感じで音をクイッと上げます。相棒の右京さんの「はいぃ⤴?」
麻má 麻
第三声:グゥーッと低く低く抑えます。思い切り感心したときの「へぇ~」。下げが足りないと第二声になってしまいますので要注意です。
马mǎ 馬
第四声:高いところから一気に下降します。カラスが「カァ↘」。
骂mà ののしる
※音の高さだけでなく、長さも異なります。
第一声、第二声は長く、また、ほとんどの第三声は短い半三声になるため、第三声、第四声は短めです。
■第三声と半三声
第三声の後に、第三声以外の声調が来るとき、第三声は下がりきったところで(語尾を上昇させずに)、次の発音に移ります。これを半三声と言います。ほとんどの第三声はこの半三声の形になります。
例えば、体 tǐ の場合・・・
体育 tǐyùの tǐ は半三声 / 身体 shēntǐ の tǐ は第三声(語尾を上昇させてもよい)
■第三声の声調変化
第三声が連続するとき、前の第三声は第二声に変化します。
你好 nǐ hǎo ⇒ní hǎo
雨伞 yǔsǎn ⇒yúsǎn
第三声が三つ以上連続するときは、一番最後の第三声以外はすべて第二声に変化します。
本垒打 běnlěidǎ ⇒bénléidǎ
可口可乐 kěkǒukělè ⇒kékóukělè
※ただし、発音は変化しても、声調記号は変えずにもとのままにしておきます。
■その他の声調変化
そのほかの声調も組み合わせにより微妙に変化します。
*高めの音(第一声、第二声、第四声)の後に、同じように高い音が来る場合は次に来る音を少し高くします。
*低く抑える第三声の後に第二声が来る場合は、第二声の出だしをやや低くします。
■“不bù” の声調変化
“不bù” はもともと第四声ですが、“不” の後に第四声が来るときは、第二声に変わります。
不去 búqù 不对 búduì 不是 búshì
この場合の声調記号は、発音の変化に合わせて第二声のマークに変えます。
■軽声
音節のもともとの音が消えて、前の音に軽く添えるように発音するものを軽声といいます。
軽声の音の高さは前の音節の音に左右されます。
休息xiūxi 咳嗽 késou
剪子 jiǎnzi 爸爸 bàba
*軽声には声調記号はつきません。
*同じ漢字でも 声調あり と 軽声 で意味が異なるものもあります。
声調あり 軽声
东西dōngxī (東西)──东西dōngxi (物品)
地方dìfāng (地方)──地方dìfang (場所)
人家rénjiā (人家)──人家rénjia (人称代名詞:あの人)
また、漢字は違いますが、似ていてまぎらわしいものもあります。
眼镜 yǎnjìng (メガネ)──眼睛 yǎnjing (目)
◎その他、数字の “一yī” にも声調の変化があります。こちらは、数字の章で取り上げます。